お車を取得するにあたってしなければならないお手続きの一つに「車庫証明」があります。構える車庫の場所を管轄している警察署へ申請し、1週間ほどで証明した番号と日付、警察署長の印が押されて返ってくる書類で、後ほど運輸支局でナンバープレートをもらう際に必要となってくる大切な書類の一つです。
この「車庫証明(本当の名前は「自動車保管場所証明書」といいます)」の書き方から提出までをお話していきたいと思います。
自動車の保管場所については「自動車の保管場所の確保等に関する法律」という法律によって定められています。
この法律の1条では、
この法律は、自動車の保有者等に自動車の保管場所を確保し、道路を自動車の保管場所として使用しないよう義務づけるとともに、自動車の駐車に関する規制を強化することにより、道路使用の適正化、道路における危険の防止及び道路交通の円滑化を図ることを目的とする。
という、目的が規定されています。
つまり、それぞれ各人が自動車を持つにあたってはきちんと保管場所を確保して、その場所に格納するようにしなさい。道路上に駐車して進行を妨げたり、他の危険を誘発したりすることのないようにしないとダメですよ、ということです。
これには17条で罰則規定も盛り込まれていて、
第十七条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三月以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第九条第一項の規定による公安委員会の命令に違反したとき。
二 第十一条第一項の規定に違反して道路上の場所を使用したとき。
2 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 自動車の保管場所に関する虚偽の書面を提出し、又は警察署長に自動車の保管場所に関する虚偽の通知を行わせて、第四条第一項の規定による処分を受けたとき。
二 第十一条第二項の規定に違反したとき。
3 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、十万円以下の罰金に処する。
一 第五条、第七条(第十三条第四項において準用する場合を含む。)又は第十三条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
二 第九条第六項の規定に違反したとき。
三 第十二条の規定による報告をせず、若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出したとき。
と、わりと重い処罰になったりすることもあったりするようなので注意が必要です。警察署相手に虚偽の通知、報告をしようなんて、なかなかできるものではないよなと個人的には思っているのですけど。
車庫証明を取得するにあたって、まずクリアしておかなければならない要件は以下の通りです。
1 自動車の使用の本拠の位置から2キロメートル以内(直線距離)の場所であること。
2 道路から支障なく出入りができ、かつ、自動車の全体を収容できるものであること。
3 自動車の保有者が、自動車の保管場所として使用する権原を有するものであること。
今は自宅などの使用の本拠の位置から2キロメートル以内となっていますが、どうやら昔は500メートルだったらしく、車の販売店などから「使用の本拠の位置から500メートルの位置に、車を止められる場所がないから車を売れない」という声が続発した結果、緩和ということになったそうです。国としては、そうしてでも車庫飛ばしを無くしたい、だから規制するんだという思いがあってのことだと思いますが、世間一般との思いとは違ったということでしょう。
車庫証明を取得するにあたって必要となる書類は主に4枚です。
確認資料として「車検証の写し」を用意しておくともっといいです。
では実際に書類を完成させていきましょう。
まずはメインとなる「自動車保管場所証明申請書」です。

まずは「車名」です。車の名前なんだから「アルファード」とか「プリウス」とか書いてしまいがちですが、車検証に載っているメーカー名を書きます。

上の見本の車検証を例に取ると「コクドコウツウ」と書いてあるところが「車名」となりますので、車検証の通りに書き写します。
次に「型式」ですが、こちらも車検証を見て、素直にそのまま書き写します。
車検証見本では「ZXX-ABC99」となっているところです。
続いて「車体番号」です。
車体番号も車検証に書いてありますので書き写します。
車検証見本では「SHADAI-001」となっているところです。
最後にお車の長さ・幅・高さを書きます。
これも車検証に載っていますのでそのまま書き写します。
車検証見本では、長さ:448cm、幅:173cm、高さ:149cmとなっています。
ここまでで車検証から書き写す作業は終わりです。
次に「自動車の使用の本拠の位置」ですが、ここは使用者(車に乗る人)の住所を書きます。
法人の場合は法人所在地を書きます。
「自動車の保管場所の位置」ですが、これも素直に駐車場の住所を書きます。駐車場に枠番号がある場合は枠番号も書きます。「○○駐車場」とか「○○モータープール」のように場所の名前がある場合はそれも書いておきましょう。特にない場合は書かなくて大丈夫です。
次に「○○警察署長 殿」と書いているところに申請する警察署の名前を書きます。例えば大阪でしたら「曽根崎警察署長 殿」とか「阿倍野警察署長 殿」とかですね。東大阪市や豊中市のように、警察の管轄が地域によってバラバラになっているところもありますので、事前に「この住所ってどこの警察署が管轄なんだろう?」は調べておくのがいいと思います。
申請日は申請する日を書きます。
そして、「申請者の住所・氏名」ですね。大抵「使用の本拠の位置」が申請者の住所となりますので、そのまま住所を書けばいいです。法人の場合は会社本店の所在地を書きます。
氏名も個人の場合はそのままお名前を書きます。フリガナも忘れないようにしましょう。わりと突っ込まれます。
法人の場合は会社の代表取締役の氏名も書いておきます。
ここまでくればあと少しです。
「自動車保管場所証明書」の欄は警察署が書きますので空けておきます。
一番下の小さな枠で「使用権者」という欄がありますが、この欄は駐車場の使用権者のついてを聞かれていますので、自己にある場合は「自己」、他人の土地を借りている場合は「他人」、共有名義の土地の場合は「共有」としましょう。大抵は「自己」か「他人」になるかと思います。
次に「連絡先」です。申請者本人が申請に行く場合は空白のままでいいです。申請者とは別の連絡先があって、何かあったときにそちらに連絡してほしい場合に書きます。例えば私の方へ連絡をしてほしい場合は「行政書士 桑野良雄」と書き、電話番号を書きます。
次に「代替」です。今申請しようとしている車庫に他の車が止まっていて、新しい車と入れ替えるというときに書いておきます。警察はほぼ間違いなく駐車場を見に来ますので、そのときに別の車が止まっていると「既に車が止まっている車庫に新しく車は止められないから車庫として機能しない」として、却下されます。そうならないように「入れ替えるまでの間だけ置いている」ということを書いておく必要があります。
ちなみに登録番号(ナンバープレートの番号)を書くようにされていますが、ほぼ車台番号を聞かれますので車台番号を書いておく方がいいのかなと思っていますが、ここはそれぞれの警察署によって違いがでます。
さて、これで申請書はできました。1枚コピーを取って正本と副本の2枚を作っておきましょう。
所在図・配置図ですが、こちらは他人の土地に駐車場を借りている場合、使用承諾書を取り付ける際に一緒にもらえることも多いです。大家さんや不動産屋さんなどに確認してみましょう。

所在図についてはその他の地図サービス(googleなど)の地図を使って作成してもOKなので、Googleマップを印刷して使うのが一番簡単かと思います。該当場所が分かるように網掛けして(私は赤ペンで網掛けしています)、使用本拠の位置と駐車場の位置を書き込み、直線距離で距離を書きます。Googleマップだと右クリックで距離の測定もできますので、そのまま使えばいいです。使用本拠の位置がそのまま駐車場の位置の場合は、使用本拠の位置だけマークすればいいです。距離に関してはあまりにも的外れな距離は疑問に思われますが、それなりにおおよそこのくらいかな、という感じで大丈夫です。当然ですが、2キロを超えるものは何があってもだめです。
配置図は所在図で書いた駐車場をもっと細かく書いたものです。フリーハンドで書いてもいいですが、できるだけ定規などを使ってきれいに書いておきましょう。分かりやすいお店やビルなどの建物等も入れておくとなおよいです。
具体的に必要な情報は「入口の幅は何メートルか?」「前面道路の幅は何メートルか?」「該当の車庫は駐車場のどこにあるか?」「車がすっぽり収まる広さか?」です。
なので、おおよそ前面道路の幅、駐車場入り口の幅、車庫の状況、車庫の長さと幅、屋根があるなら高さ、を注意して書き込んでいけばOKです。
シャッターが付いている車庫の場合はシャッターの有無も記載しておきましょう。「シャッターが閉まっていて確認できない」ということで警察から電話がかかってくることもあります。
機械式の駐車場の場合は中を書くことはできませんから、駐車場入口までの図と呼び出し番号(枠番号)、長さ、幅、高さを書いておけばOKです。
当然ですが1センチでも車体より小さな寸法であれば、その車庫を使うことはできません。特に大きな外国車を止める場合などは十分に選んでください。管轄の警察署はその地域の地理のプロですので、どこの車庫がどんな車庫かを知っています。どう考えても無理な車庫は即座にわかります。
使用承諾書に関しては大家さん、不動産屋さんなどの駐車場管理人に問い合わせてください。きちんとしたものを用意してくれます。

自認書ですが、今回は普通車での話なので「証明申請」に〇をします。軽自動車の場合は「届出」に〇をします。
土地・建物のところですが、両方に〇をしておけばOKです。
次に管轄の警察の名前を書いて、日付、住所、電話番号、氏名を書けば終了です。
印鑑は必要ありません。
これで申請書、所在図・配置図、自認書もしくは使用承諾書ができましたので、管轄の警察署の車庫証明の担当窓口へ行きます。
窓口で書類を渡すと、書類をチェックされたあと、副本にバーコードを貼られた状態で渡されます。そのまま会計課に行って副本を渡し、手数料2,200円を支払って、副本と領収書をもらいます。また再度、窓口に戻って副本を渡すと交付日付が書かれた「受理票」がもらえます。この受理票は、証明書を交付してもらうときに必要になりますので失くさないように保管しておきましょう。
何もなければ、交付日に再度受理票を持って窓口に行くと証明書を渡してもらえます。
これで、車庫証明のお手続きは終了です。
車庫証明のお手続きはそこまで難しいものではありません。要点さえつかんでいれば申請も受取も5分ほどで終了する手続きですので、平日にお時間があって、警察署も近くにあって行けるという方でしたら、各自で行かれることをおすすめします。警察署までが遠くて行けない方、平日にお時間が取れない方、書類作成にあまり自信がない方など、お困りな点がありましたら、行政書士がお力になります。いつでもご相談ください。